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コミュニティ運営のコツは自身のBot化

自分自身をプログラミングする方法について

2018年12月27日

コミュニティデザイナーは裏方のタスクも多い

小規模のコミュニティでも、実はやることはたくさんあります。

例えば、新メンバーが入ってきたときのオンボーディング(自己紹介、各種サービスへの登録)や、定期的な投稿、コメントへの反応、イベントの企画、退会時の対応、説明会等の集客などなど。これだけでも結構な時間を使うことになります。

議論メシでは、これらに加えて、コミュニティ通貨「GRN」の発行や流通施策、メンバーの貢献度の記録、ディスカッションの準備などもあり、実は毎日平均して16個ほどのタスクが存在しています。年間でだいたい6000のタスク。

こういった裏方のルーティンなタスクをコツコツ積み重ねていくことが、コミュニティオーナーの役割の1つです。

もちろん、アウトソースする考え方もあると思いますが、こういった細かい作業をやっていくなかで多くの気付きがあるので、学びの機会と捉えるほうがいいと感じています。学びはアウトソースできないものです。学びがなくなってきたらアウトソースすると良いでしょう。

自身をBot化しよう

アウトソースしないうちは、大量のタスクに忙殺されてしまうこともあります。では、そうならないためにどうしたらいいのでしょうか?わたしは、大きく2つの方法でこれを解消しています。どちらにも共通するキーワードは「自身のBot化」です。Botはここでは自動化プログラムくらいなイメージで想像してください。

具体的に以下の2つの方法が有効です。

  1. 繰り返しタスクを設定する
  2. テキストのテンプレートを作成する

1.繰り返しタスクを設定する

一度発生したタスクは、完了させるときに「繰り返しにすべきか?」と自分に問いかけます。もし今後も同様のタスクが発生するようであれば、定期的にタスクリストに表示されるように繰り返しタスクとして登録しておくのがオススメです。

これを繰り返していくことで、自分のコミュニティ運営のルーティンタスク集ができあがり、それ自体が自分流のタスク運営のノウハウになっていきます。

議論メシではタスクを「Asana」で管理しています。黒田としては最高のタスク管理ツールだと思っています。ここには、繰り返しタスクが30種類登録されていて、それぞれに「毎日」「週1」「月1」といった頻度が設定してあります。繰り返しタスクは設定された頻度で「今日のタスク」に表示されるので、そのタスクをAsanaに言われたとおりにやっていけばいい。

自分自身をBot化して、プログラミングしているイメージですね。プログラムという言葉も、もともとは「pro(前もって)」+「gram(書く)」と分解できるので、まさに繰り返しタスクを作る行為はプログラミングだと言えます。

2.テキストのテンプレートを作成する

新メンバーに自己紹介をお願いする文章など、毎回似たような文章を書く場面も多いものです。そんなときに、毎回文章をイチから書いていては時間がかかります。だから、何度も書くことになりそうな文章はテンプレート化しておきましょう。

議論メシの場合は、Evernoteに40種類のテンプレートが用意してあります。

テンプレート化する理由は時短だけではありません。テンプレートというカタチで残しておくことで、少しずつテキストを書き換えながら改善することができるのです。

自己紹介をお願いしたけど反応がなかったら、もしかしたらお願いする文章が伝わりにくいものだったのかもしれない。この振り返りのタイミングでテンプレートを見直しておけば、次の自己紹介のお願いのときにその反省を活かすことができます。

ただ単にタスクを「繰り返し」にするのではなく、「積み重ね」にすることができるのが、テンプレート化のいいところです。秘伝のタレのように、少しずつ継ぎ足しながら改善を重ねていきましょう。

Bot化はなんのため?

繰り返しタスクとテンプレート化によって自身をBot化し、効率的にタスクをこなせることをご紹介しました。では、できた時間は何に使うべきでしょうか?ここをはっきりさせないと、空いた時間を無為に使ってしまうことになります。コミュニティーオーナーとしては、その時間を「コミュニティの質的向上」や「未来への種まき」に使いたいものです。

たとえば、議論メシでは企業とタイアップして議論メシに貯まっているディスカッションノウハウを様々なプロジェクトに提供することで、未来につなげています。

Bot化したことで無機質な対応をしていては、メンバーにそっぽを向かれてしまいます。そうなっては本末転倒。そうではなく、Bot化によってできた時間を使って、メンバーにコミュニティの価値を感じてもらえるようなアクションを取り、コミュニティをもっと好きになってもらいたい。それがコミュニティデザイナーの楽しみだと感じています。