コミュニティ通貨GRNについて
議論メシでは創立当時からGRN(ギロン)というコミュニティ通貨を発行してきました。コミュニティへの「貢献」によってマイニング可能なこの通貨は、2018年7月時点で175万円分(1GRN=10円換算)が発行されています。
例えば、イベントを開催すれば500GRN、オンラインディスカッションのテーマを投稿すれば300GRN。こうしたコミュニティ内でのさまざまなアクションに対してマイニングできるGRN数が事前に定義されています。もっとも多いメンバーで約1万GRNを保有しています。
ちなみに、GRNはブロックチェーンの技術を使っているわけではありません。メンバーに公開されているGoogleスプレッドシートの台帳に逐一記入する集中台帳型の運用です。分散台帳型であることは目的ではなく手段にすぎないと割り切って、まずコミュニティ通貨を運用してみる実験として運用してきました。
GRNの用途は「議論メシ名刺(通称:議論メーシ)の発行」や「議論メシTシャツの購入」など、少ない選択肢に限られていました。そういった実用性よりもむしろ、コミュニティへの貢献を見える化することが主な目的。でも、いつかGRNで経済圏をつくりたい、という漠然とした思いはありました。
2018年8月、feverでのGRN運用を開始
議論メシオーナーの黒田による手運用には限界があります。GRNの用途を増やしたり、メンバー間でGRNを送り合うといったことができない状態が半年ほど続いていました。
そんな折に、コミュニティ経済圏プラットフォームのfeverがローンチされたのです。
もともとコミュニティ通貨を運用し、いつかは経済圏をつくることをイメージしていました。まさに渡りに船といったタイミングでfeverが登場。数ヶ月かけて他のコミュニティ通貨関連プロダクトとの比較を経て、コミュニティ通貨GRNの運用の場にfeverを採択することとなりました。
(これを読んだ議論メシメンバーは必ずfeverに登録をお願いしますね。登録方法はこちら)
ちなみに、fever内の議論メシページはこちらから誰でも見ることができます(一般公開コンテンツのみ)。
GRNで買えるチケット発行の目的
今後は、今まで以上に様々な用途でGRNを活用することができるようになります。
特に注目すべきはGRNの用途をメンバーが自由に出品できる点。出品されたものをfeverでは「チケット」と呼びます。チケットには「メンバー限定」「一般公開」の2種類があります。
特に重視しているメンバー限定チケットについて説明します。feverではメンバーに向けて「◯◯の相談に乗るよ」「◯◯を貸すよ」「◯◯を作るよ」といった提供価値をチケットにすることができ、これをメンバー限定チケットと呼んでいます。他のメンバーはそのメンバー限定チケットをGRNで購入することができます。
これによってGRNの用途が増えるだけでなく、メンバー間のコミュニケーションがさらに活性化し、可視化されていきます。
コミュニティ通貨を発行する理由はまさにこれです。
コミュニティとはそこで行われるコミュニケーションの総和だと言い換えられるので、コミュニケーションの質と量を増やすことはコミュニティにおいて重要なポイント。その有効な手段の1つとしてコミュニティ通貨があるのです。
どうしても、コミュニティ通貨という言葉は「経済圏をつくる」ことを連想させますが、必ずしもそれが先立ってはいけない。議論メシでは「経済圏をつくる」ことよりも「良質なコミュニティをつくる」ことを重視しています。
良質なコミュニティがまず先にあってほしい。そこに人生の大切な時間の一部をコミットしようと思えるようなコミュニティです。そういった基盤がなければ、コミュニティ経済圏を構築しても長続きしないと思うからです。
「経済圏をつくる」というなんともかっこいいお題目の前に、地道に「コミュニティをつくる」ことを進めていこうと思います。
これに関連して、feverでは近いうちにメンバー間でのGRN送金もできるようになります。GRNにメッセージを付けて送金することで、コミュニケーションツールとして活用できるでしょう。企業のサンクスカードのようなイメージです。これも良質なコミュニティを作っていくうえで効果がありそうです。
メンバーとコミュニティの関係をアップデート
ちなみにチケットは「メンバー限定」だけでなく「一般公開」も可能です。普段の仕事(デザイン、コンサルティングなど)をチケットとして掲載し、報酬をGRNで受け取る。そしてそのGRNを使ってコミュニティ内で様々なコミュニケーションをしたり他のメンバーの提供価値を受け取ったりする。
そんなコミュニティベースの働き方・生き方も選択できるようにしたい。このところ取り沙汰されている働き方関連のキーワードに「フリーランス」や「副業(複業)」などがありますが、「コミュニティ」というキーワードが注目されるようになるのも時間の問題だとみています。
将来的には、feverの取引所にGRNを上場し、売買ができるようにする予定もあります。そうなれば、コミュニティが成長することでメンバーの中長期的なメリットにもなる、そんなコミュニティ設計ができる可能性がでてきます。
議論メシはコミュニティの実験場として、これからもたくさんの試行錯誤を続けていきます。お楽しみに!