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コミュニティは「型」ではなく「核」から始めよう

議論メシで失敗した分科会の話とバームクーヘンと和ろうそく

2018年12月5日

分科会という失敗

かつて、議論メシには「分科会」という失敗がありました。

分科会は、メンバーの興味領域ごとにFacebookグループという型を用意し、そこに誰でも参加できますよ、というサロン内コミュニティでした。

同じ興味を持っている人をドカッと型に入れたらアクティブになるのではないか?と考えて作った分科会ですが、その目論見は外れ、全く盛り上がりませんでした。

なぜ盛り上がらなかったのか?それは「核」となる人がいなかったからだと、今になって思います。

「核」となる1人が必要

だれかしら、そのテーマについて狂っている必要がある。仮にコミュニティがなくても動き出しているほど熱狂している人を核にして「この人めっちゃ面白い!」と感じた人がそこに集まってきて熱を受け取っていく。

そうして熱狂が伝播していけば、コミュニティは自ずと動き出すのだと思います。コミュニティデザインのキモは、そういった核となる人を見出してやりたいようにやれる状況を作り出すことかもしれません。

コミュニティの始まりは「型」ではなく「核」。

これは確かに、議論メシを立ち上げるときにも意識していたことです。最初に集めた8人は、とても慎重に選びました。その人達を核にして、議論メシは徐々にクチコミで人が増えていったのです。

私の失敗は、分科会を作るという「型」から入ってしまったことです。「核」が無い状態だったから盛り上がらなかったのです。

バームクーヘンと和ろうそくの共通点

バームクーヘンの作り方をご存知でしょうか?店頭で焼き上げる様子を見たことがあるかもしれません。中心に「核」となる棒があり、その周りに生地を塗りながら遠火で焼いていくのです。その層が焼き上がったらまたその外側にもう1層塗り重ね、同じように焼いていきます。決して急いで層を厚くしてはいけません。少しずつやらないと、内側が生焼けになって崩れてしまいます。

和ろうそくもこれに似た作り方があります。中心に「核」となる竹串とそこに巻き付けた和紙の芯があり、これに溶かしたロウをつけては乾かし、つけては乾かしを繰り返していくのです。これも急いでやると形が崩れてしまいます。

コミュニティも、バームクーヘンや和ろうそくと同じ。まずは「核」があり、その周りに人が集まり、少しずつできあがっていくものだと感じます。コミュニティ作りは、急いではいけません。